奈良文化財研究所

44831-野田地区遺跡

文化財総覧WebGIS
総覧抄録ID : 44831
要約 : [野田地区遺跡 要約]\n沖積地から河岸段丘にかけての地点でおこなった3箇年にわたる発掘調査において、弥生時代から中世にかけての各期の遺構・遺物がみつかった。沖積地では古墳時代初頭から室町時代にかけての溝(自然流路)が確認され、保存状態のよい豊富な木製品や土器類が出土した。古墳時代の高床式建物の建築部材や家具・紡績具、平安時代の犂・桧扇などは、県下的には唯一あるいは希少な資料である。また、弥生時代末から古墳時代中期にかけての土器類や、中世の瓦器には変遷を追える資料が揃っている。既往の調査では、平安時代の形代や中世の笹塔婆なども出土しており、調査区付近は神聖な場所であった可能性がある。段丘上では弥生時代後期の竪穴住居や中世の溝・柱穴が検出された。弥生時代の住居は、高地性集落の存続時期と併行しており、当時の社会背景を考える上で興味深い。段丘上には南北朝時代の宝篋印塔があり、付近にあったとされる観音寺との関係が指摘されている。調査ではお寺に関る遺構は見つかっていないが、出土した輸入磁器や瓦、瓦器椀あるいは既往の調査で出土している笹塔婆などは寺との関わりが考えられる。\n
遺跡名 : 野田地区遺跡
都道府県 : 和歌山県
遺跡所在地 : 和歌山県有田郡有田川町野田
市町村コード : 303666
北緯(世界測地系) : 34.0683
東経(世界測地系) : 135.1978
主な時代 : 弥生|古墳|奈良|平安|鎌倉|室町
時代・遺跡種別 : 社寺|その他
主な遺構|主な遺構 : 竪穴住居|溝(自然流路)|土坑|柱穴
主な遺物|主な遺物 : 弥生土器|土師器|木製品(建築部材・家具・農具・紡績具)|黒色土器|須恵器|木製品(農具・服飾具・容器)|瓦器|国産陶器|輸入磁器|木製品(容器・工具)など
総覧URL : https://sitereports.nabunken.go.jp/25706
特記事項 : |高床式建物建築部材|平安時代の桧扇や犂などの木製品|瓦器の変遷を追える資料