奈良文化財研究所

39079-天保山砲台跡

文化財総覧WebGIS
総覧抄録ID : 39079
要約 : 【鹿児島紡績所跡】\n 鹿児島紡績所は,薩摩藩第十二代藩主島津忠義によって1867(慶応三)年に建設された日本で最初の洋式機械紡績工場である。正確な位置などが不明だったが,今回の発掘調査で紡績所の建物の基礎と考えられる遺構が発見された。また,幕末の3時期にわたる遺構が検出された。\n【祇園之洲砲台跡】\n 西欧の進んだ科学技術を積極的に導入する契機となったのが1863(文久三)年の「薩英戦争」である。祇園之洲砲台は,生麦事件の交渉で圧力をかけにきたイギリス艦隊に砲撃を加え,激戦地となった場所である。今回の発掘調査で,薩英戦争当時の石垣や砲座・土塁などが広く残存していることが確認された。また,石垣・土塁を「薩英戦争前につくられたもの」と,「戦争後に改修されたもの」に分けて捉えることもできた。\n【天保山砲台跡】\n 天保山砲台は,1863(文久3)年の「薩英戦争」でイギリス艦隊と砲撃戦を交えた場所で,ここからの砲撃で戦いの火ぶたが切られたと言われている。天保山砲台跡では,半円形に2列の敷石が敷かれた軌条を2基検出した。この敷石には,轍が確認できる。また,甲突川に向かって下る石畳(荷揚場)を検出した。
遺跡名 : 天保山砲台跡
都道府県 : 鹿児島県
遺跡所在地 : 鹿児島県鹿児島市天保山町
市町村コード : 46201
北緯(世界測地系) : 31.573055
東経(世界測地系) : 130.564722
主な時代 : 近世(細分不明)
時代・遺跡種別 : その他
主な遺構|主な遺構 : 土塁|石垣|砲座|石畳
主な遺物|主な遺物 : 染付|陶器|薩摩焼|瓦|鉄製品
総覧URL : https://sitereports.nabunken.go.jp/22612
特記事項 : 種別:戦争遺構