総覧抄録ID : 22610
要約 : 掩体壕のある平和町には、戦闘指揮所跡や防空壕などが現在でも残されている。\n 今回発掘調査した2基の掩体壕はほぼ当時の姿のまま現地に残っているが、掩体壕1は天蓋の前面部が全体にかけて数十センチメートル程度破損し、掩体壕2では天蓋の前方部約3メートルほどが落下しており、天井の一部に破損が見られる。2基とも壕内部は地盤の砂礫層を掘り込んで機体格納スペースを作り出している。この掘り込んだ地盤層の上に硬化面や石敷施設を作り地表面を整地したとみられる。これらの遺構面は当時の機体誘導路を含む地表面と考えられる。掩体壕1で発掘した2・4トレンチの埋土層から天蓋のコンクリート破片の出土が大量に見られたが、これらは掘り込まれた壕内部を戦後に埋め立てるときに土砂と一緒に埋められたと見られる。\n 出水航空基地で使用されたとされる戦闘機「紫電」及び「紫電改」の寸度と、掩体壕 1・2 の発掘調査及び実測から得られた数値を比較すると、両方の掩体壕で両機の格納は可能と考えられる。
遺跡名 : 掩体壕1
都道府県 : 鹿児島県
遺跡所在地 : 鹿児島県出水市平和町366番,367番,369番
市町村コード : 462080
北緯(世界測地系) : 32.082222
東経(世界測地系) : 130.321944
主な時代 : 昭和
時代・遺跡種別 : 軍事(近代以降)
主な遺構|主な遺構 : 石敷遺構|硬化面
主な遺物|主な遺物 : 鉄製品|金属製品|樹脂系製品|コンクリート片
総覧URL : https://sitereports.nabunken.go.jp/13163
特記事項 : 硬化面上から釘・ネジ類の鉄製品が、埋土層からコンクリート片が出土した。硬化面及び石敷遺構が壕内部の地点で検出された。\n\n主な時代:戦争遺跡\n主な時代:現代(昭和)