奈良文化財研究所

160466-原宿町八幡山遺跡

文化財総覧WebGIS
総覧抄録ID : 160466
要約 : 原宿町八幡山遺跡は、横浜市域の南西部、境川と柏尾川に挟まれた丘陵斜面上に立地し、近世及び縄文時代並びに旧石器時代の、複数の時代にわたり遺構・遺物を確認した遺跡である。調査地はJR・横浜市営地下鉄戸塚駅の南西側約3㎞、国道1号線の原宿交差点より北東800mに位置している。遺跡の所在する横浜市戸塚区の原宿地区の戸塚台丘陵は、海抜標高70m前後を測る。旧石器時代の層位からは、黒曜石の薄片2点が出土している。縄文時代の遺跡は、丘陵上の北向き緩斜面上に展開された、竪穴住居や土坑・ピット群で構成される集落地とその外縁の一部を検出した。竪穴住居址の内部からは、縄文時代早期の深鉢形土器の破片や、石鏃などの石器と共に黒曜石から石器を製作した痕跡が見つかっている。近世では土坑や溝状遺構・竪穴状遺構など様々な種別の遺構を検出し、中でも幾つかの規模の大きい溝状遺構は調査区内に地割りが幾つか存在することを確認できた。調査地点の北側には、古くは東海道と呼ばれた古道があり、街道筋と居住地に挟まれた耕作地であった可能性も考えられる。遺物は18世紀代以降の肥前系・瀬戸美濃系陶磁器、かわらけ、銅製の古銭や煙管などの金属製品が出土している。原宿町八幡山遺跡は本県横浜市域南西部地域において複数の時代・時期にわたり展開する遺跡群の様相を解明していく上で、貴重な資料の一つとして評価できる。
遺跡名 : 原宿町八幡山遺跡
都道府県 : 神奈川県
遺跡所在地 : 神奈川県横浜市戸塚区原宿二丁目458-1他
市町村コード : 14110
北緯(世界測地系) : 35.377777
東経(世界測地系) : 139.516111
主な時代 : 縄文|旧石器|近世(細分不明)
時代・遺跡種別 : 集落|散布地|田畑
主な遺構|主な遺構 : 竪穴住居跡6|土坑34|ピット316|焼土址6|土坑36|溝状遺構5|竪穴状遺構4|畝状遺構4
主な遺物|主な遺物 : 土器|石器|陶磁器|かわらけ|金属製品|木製品
総覧URL : https://sitereports.nabunken.go.jp/143025
特記事項 : 住居址群は早期主体。土器は早期~後期。石器は黒曜石製の石鏃製品・未製品のほか薄片類多数出土。|第二黒色帯(B2)前後の層位から薄片類数点が出土。|遺物は18世紀代以降の肥前系陶磁器を中心とする。