総覧抄録ID : 159191
要約 : 鶴ヶ岡城二の丸大手馬出へ通じる土橋の東縁と馬出に伴う堀の一部が見つかった。胴木と考えられる横木も検出されたが馬出石垣は残存せず、石垣石が堀の南半上層と近代の溝下層に埋置されていた。堀の南岸には乱杭が密に打ち込まれ、土橋の堀側にも南北方向に並ぶ2~3列の杭を打って護岸とし、杭列内側に横板と縦桟を釘留めした板柵を円礫積みで挟み込んで土橋外縁の基礎とする構築方法が採られていた。杭には丸太杭・角杭のほか、床組材・柱材・梁材などの転用杭も含まれ、横板には床板材や扉板、板柵縦桟には長押材・貫材・建具材などを転用している。板柵や円礫による基礎工は堀最下層の上に積み上げられ、土橋の核となる内側に円礫を含まない盛土の高まりとこれに伴う杭列が存在することから、土橋は堀の最下層堆積後に東側へ拡幅するかたちで整備されていると考えられる。\n このほか、堀・土橋以南の馬出範囲や二の丸外となる調査区北側の近世遺構面より上層で西田川郡会議事堂ないし鶴岡市公会堂の土地区画に関連する可能性のある石列も検出した。
遺跡名 : 鶴ヶ岡城跡
都道府県 : 山形県
遺跡所在地 : 山形県鶴岡市馬場町地内
市町村コード : 6203
北緯(世界測地系) : 38.7308
東経(世界測地系) : 139.823
主な時代 : 中世(細分不明)|近世(細分不明)
時代・遺跡種別 : 城館
主な遺構|主な遺構 : 溝|土坑|柱穴・ピット|性格不明遺構|土橋|堀
主な遺物|主な遺物 : 白磁・青磁|青花|陶器|かわらけ|陶磁器|瓦|石製品|金属製品|木製品|堀周辺・土橋部材|石垣石
総覧URL : https://sitereports.nabunken.go.jp/142162
特記事項 : 二の丸大手馬出へ通じる土橋を初めて検出。土橋の構築・補修と堀の埋没過程の関係が判明。杭など堀周辺・土橋部材307点の観察表を収録。(文化財認定箱数:16箱)