奈良文化財研究所

155058-津城跡

文化財総覧WebGIS
総覧抄録ID : 155058
要約 : 津城は、藤堂藩(津藩)32万石の藤堂氏の居城として築かれた、三重県を代表する近世の平城である。永禄・天正年間に長野信良(織田信包)が築いた安濃津城を、慶長末期に藤堂高虎が修築した。調査地は二之丸北側で、老職など上級家臣の屋敷地にあたる。\n 調査の結果、17世紀後半から19世紀までの近世遺構・遺物を検出した。特に、18世紀後葉から19世紀前葉の遺構・遺物が多い。遺構は、土蔵の基礎地業(布地業・捨杭)、水琴窟、井戸、土坑などで、屋敷地の裏手に土蔵や坪庭・露地、ごみ溜などが配置されたとみられる。\n 遺物は陶磁器や瓦、動物遺体などで、陶磁器は肥前、瀬戸・美濃を主体とし、18世紀後半以降は京都・信楽系陶器が多くみられた。この他に、腰白献上茶壺などの高級品や、藤堂藩を象徴する安東焼(古安東)、「伊賀國」印銘の伊賀焼(藩御用品)の出土が特筆される。動物遺体は貝類を中心に、食用価値の高い多種多様な動物の残渣がみられた。\n 近世遺構基盤層の下層調査や土壌分析から、調査地の地形環境に関する資料を得た。\n 津城廃城後は、明治時代の阿漕焼や、安濃津地方裁判所に関わる昭和10年代の遺物が大量に出土した。
遺跡名 : 津城跡
都道府県 : 三重県
遺跡所在地 : 三重県津市中央
市町村コード : 24201
北緯(世界測地系) : 34.719166
東経(世界測地系) : 136.508333
主な時代 : 江戸
時代・遺跡種別 : 城館
主な遺構|主な遺構 : 土蔵の地業|水琴窟|井戸|土坑|溝
主な遺物|主な遺物 : 土器|陶磁器|瓦|木製品|金属製品|動物遺体
総覧URL : https://sitereports.nabunken.go.jp/139023
特記事項 :