総覧抄録ID : 132725
要約 : 現在の岡山市街地は、宇喜多秀家によって始められその後小早川氏、池田市へと受け継がれた岡山城下の整備を基礎としている。調査地は、江戸時代の城下絵図によると、岡山城二の丸の一角で家老職にある重臣や上級武士が居住する屋敷街に当たる。調査では、上層で江戸時代初頭から幕末までの侍屋敷を検出し、下層で宇喜多期の城を確認した。\n 上層の遺構のうち、調査区中央を東西に走る石組溝2条は道の両側溝と考えられ、江戸時代初頭に構築したものを改変しながら幕末まで継承していることがわかった。これらの成果は、絵図に描かれた道を確認したことと、城下整備の変遷をとらえらことで重要である。\n 下層で検出した堀は、北から西に向かって鍵形に折れ曲がる形状で、東西方向幅で11m以上、南国方向幅で27m以上を測る。堀の西岸肩口に最大高約0.9mを測る石積を築くが、以下は素掘りとなる。その埋土最下層の出土遺物から、堀は宇喜多期に機能し、屋敷地割りの行われた江戸時代初期までに廃絶したことが判明した。これは、初期岡山城下の成り立ちを考える上で貴重な成果である。
遺跡名 : 岡山城二の丸跡
都道府県 : 岡山県
遺跡所在地 : 岡山県岡山市北区内山下2-4-6
市町村コード : 33101
北緯(世界測地系) : 34.661111
東経(世界測地系) : 133.934444
主な時代 : 安土桃山|江戸
時代・遺跡種別 : 城館
主な遺構|主な遺構 : 柱穴列|道|土坑|溝|堀
主な遺物|主な遺物 : 国産陶磁器|輸入磁器|炻器|土器|瓦類|土製品|石製品|木製品|ガラス製品|骨製品|金属製品
総覧URL : https://sitereports.nabunken.go.jp/70119
特記事項 : 侍屋敷